マイリー・サイラスがパンセクシャル(全性愛)をカミングアウト
歌手のマイリー・サイラスがファッション誌『ELLE』イギリス版10月号にてパンセクシャル(全性愛)をカミングアウトして話題となっている。
パンセクシャル(全性愛)とは一体何なのだろうか、マイリーの告白に耳を傾けたい。
■マイリー・サイラス、パンセクシャル(全性愛)を告白
Snap Via:picsnetwork.com
14歳の時に大ヒットディズニードラマ『シークレットアイドル・ハンナ・モンタナ』の主役に抜擢されて以来、一躍全米アイドル子役に。16歳にして自叙伝『Miles to go』を発売。その後歌手活動も始め、20歳の2012年11月には衝撃のショートカットに変貌し、アイドルキャラから超破廉恥なお転婆キャラへと大変身を遂げて全米のみならず世界中を驚かせた。
俳優リアム・ヘムズワース(25)とは婚約するもショートカットの大変貌とほぼ同時期に破局、その後2014年暮れからシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガー元カリフォルニア州知事でハリウッド俳優の息子パトリック・シュワルツェネッガー(21)と真剣交際し全米の注目を集めるも2015年春には破局して、その後は今年7月にはなんとランジェリーメーカー「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)」のスーパーモデル、ステラ・マックスウェルと熱愛が発覚し路上キスなどがスクープされた。
———ファッション&音楽誌『PEPAR(ペーパー)』7月号にて自身のセクシャリティを「fluid(流動的)」であると告白して話題となった。
インタビューでマイリー・サイラスは14歳の頃に同性(女性)に性的な興味があることを自身の母親に告げた時のことを、初めて公に明かして話題となった。
「法律で許されていることなら、何でも構わないよ。18歳以上で、私を愛してくれる人なら誰でも構わないよ。私は男の子でも女の子でもないし、私のパートナーも男の子でも女の子でもなくていいんだ。」
“Everything that’s legal, I’m down with. Yo, I’m down with any adult — anyone over the age of 18 who is down to love me. I don’t relate to being boy or girl, and I don’t have to have my partner relate to boy or girl.”
引用元:The Huffington Post – “マイリー・サイラスのPEPER誌7月号”
このように語っていたマイリー・サイラスは結果として”バイセクシャル(両性愛)“であると報じるメディアが多かった。
——–しかし、今回のファッション誌『ELLE』イギリス版10月号では自身がパンセクシャル(全性愛)であるとハッキリとカミングアウトした。
「私はそれに対してとてもオープンにしています。私はパンセクシャルです。ただ、今は恋愛関係にはありません。私は22歳で、デートをしていますが、私のスタイルは2週間ごとに変わるくらいです。それに、私が誰と一緒にいるかなんて関係ありません。」
“I’m very open about it — I’m pansexual. But I’m not in a relationship. I’m 22, I’m going on dates, but I change my style every two weeks, let alone who I’m with.”
引用元:The Huffington Post – “マイリー・サイラスの『ELLE』イギリス版10月号”
■パンセクシャル(全性愛)とはどのようなものなのだろうか。
——–Wikipediaによると、このような説明がなされている。
全性愛(ぜんせいあい)、パンセクシュアリティ(pansexuality)、オムニセクシュアリティ(omnisexuality)とは、男性/女性の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりすること。全性愛の性質を持っている人を全性愛者(ぜんせいあいしゃ)、パンセクシュアル(pansexual)、オムニセクシュアル(omnisexual)という[注 1]。
彼等の中にはパンセクシュアルとは、社会的であれ、生物学的であれ、性というものは意味の無いものであるという思想的立場から、性別にとらわれず特定の人間に恋をしているだけと考える人もいる。パンセクシュアルの「パン」とは、ギリシア語に由来し、「全て」を意味する。
男性と女性の両方を愛することに着目して、バイセクシュアルに分類される場合もある。引用元:全性愛-Wikipedia
これによると、パンセクシャル(全性愛)は文字通り、女性も男性もまたいずれかの性に属さない人に対しても性的感情を抱けること、バイセクシャル(両性愛)に分類されることもあるという説明がされている。
——-バイセクシャル(両性愛)とパンセクシャル(全性愛)はどう違うのか。
インディアナ大学 性健康促進センターのアソシエイトディレクター、デビィ・ハーベニック博士はこのように説明している。
「パンセクシャル(全性愛)はバイセクシャルと違います。なぜならバイセクシャル(両性愛)は世の中に2つの性があるだけという状態を示唆していますが、一方でパンセクシャル(全性愛)は男性や女性と認識される人だけでなく、トランスジェンダーや性別の分類されない人も(性的対称に)含まれるからです。」「これは(バイセクシャルに対して)視野を広げた状態と言えます。」
■マイリー・サイラスはLGBTやホームレスの若者支援を目的とした非営利組織とは
「ザ・ハッピー・ヒッピー・ファウンデーション(The Happy Hippie Foundation)」とはマイリー・サイラスが2014年に設立したホームレスやLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)やその他の社会的弱者を支援し、それらの人々が直面する社会の不正義な扱いに対して立ち上がろることを呼びかける非営利組織。
彼女はそこで恵まれない若者の自立支援を精力的に活動しているようである。
■マイリー・サイラスが訴えるアメリカ社会の現状
「全ての人は安全と呼べる家に住む権利があり、夢を実現する機会に恵まれるべきである。」とマイリーは主張するも、現状としてこのような状況であることを訴えている。
・160万人のホームレス(家がない人)の若者が毎年作りだされている。
・ホームレスの若者の内、実に40%はLGBT(セクシャルマイノリティー)であり、LGBTのホームレスの若者は、家族から拒絶されたことによりホームレスになることが最も多い理由。
・ホームレスの若者の内、25%の人は幼い頃に肉体的または性的虐待を受けていたことがある事実。
・3分の1近くのトランスジェンダーの人々は、ホームレスの為の保護施設から追い出されている。
(筆者による補足:世界人口の5%、実に20人に1人がセクシャルマイノリティーと言われており、2015年に電通総研がインターネットを通じて全国7万人に行った調査では、実に13人に1人がLGBTのいずれかに属するセクシャルマイノリティーであると判明。意外な多さに衝撃を受ける内容となっている。)
このようなアメリカ社会の現状から、マイリー・サイラスは、「世の中を変えれないなんて言葉は間違っている。」として、このような社会的弱者救済の為に声を挙げようと世界中の多くの人々に理解と力添えの呼びかけをしている。
マイリー・サイラスの積極的なカミングアウトの背景には自身を含めたセクシャルマイノリティーの人達への理解と権利拡大の為に先頭に立つというマイリーらしい意思を感じることが出来るのではないだろうか。
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